当社は、世界エネルギー需要への最適化と、
特に日本市場への
安定的な資源供給に
貢献するために、上流資源の確保を目指します。
当社の地下資源へのアクセスは1970年代に始まります。
当時、20年という長期LNG売買契約を支える地下資源の存在を確認したうえで日本買主への販売を実現し、
インドネシアにおけるLNGプロジェクト(アルンLNG、ボンタンLNG)を立ち上げました。
それ以降今日まで、当社はカタールQatarEnergy LNG S(1)プロジェクト、インドネシア タングーLNGプロジェクト、
オーストラリア スカボロガス田開発プロジェクト等の大規模LNGプロジェクト、およびその他インドネシアにおける小規模ガス資源開発に携わり、
上流事業開発のノウハウを積み重ねています。
タングーLNGプロジェクトは、インドネシア⻄パプア州に位置するムツリ鉱区、ベラウ鉱区およびウィリアガール鉱区の3鉱区を統合して開発されたインドネシア第3の大型LNGプロジェクトです。
当社は、1999年に英国BG社他よりムツリ鉱区の5%の権益を取得し、本プロジェクトに参画しました。さらに2004年に英国BG社よりムツリ鉱区の約29.23%の権益を取得し、現在ムツリ鉱区の約34.23%、タングーLNGプロジェクト全体の約7.35%の権益を保有しています。
本プロジェクトは、2005年3月に液化設備二系列の建設および洋上ガス田の開発について最終投資決定を行い、2009年6月に生産を開始しています。LNG液化設備は、年間760万トンの生産能力で、日本、インドネシア、中国、韓国、北米⻄海岸向けの⻑期売買契約に基づき供給を行っています。
加えて、2023年9月より、年間380万トンの生産能力を有する第三液化系列が生産を開始しています。
第三液化系列で生産されるLNGのうち、最大年間280万トンはインドネシア国営電力会社であるPT.PLN社に供給され、今後も増加が予想されるインドネシアのエネルギー需要を支えることとなります。また、最大年間100万トンは関⻄電力株式会社へ供給され、日本へのエネルギーの安定供給にも貢献していきます。
アジア・太平洋地域へのエネルギーのさらなる安定供給という観点から、インドネシアの重要なLNG生産基地である本プロジェクトへの期待は高まっています。
当社は1997年9月、カタール国営企業であるQatarEnergy社とExxonMobil社の主導するQatarEnergy LNG S(1)プロジェクトの3%の資本権益を得ることで参加しました。資本権益参加に際し、当社はQatarEnergy社に対し約3億ドルの融資も実行しています。
QatarEnergy LNG S(1)は年間合計660万トンの生産能力を持つトレーン1およびトレーン2から韓国ガス公社向けに年間480万トンの販売を行っており、1999年8月の初出荷より現在に至るまで順調に操業しています。また、スポット契約ベースにて世界中のLNG市場に供給を行っています。
さらに、同社はLNGの他に副産物としてコンデンセートや硫⻩を生産しており、2005年からは他のカタールLNG生産会社と共同で液化ヘリウムの生産設備も立ち上げ、ヘリウム1プロジェクトとして年間660百万立方フィートのヘリウムを生産しています。
カタールではヘリウム2プロジェクトとして2013年から年間1,300百万立方フィートのヘリウムが別途生産されていますが、当社はこれまで培ったカタールでのビジネスノウハウを活かし、日本で初めて生産国から直接購入するプロジェクトに買主代理人として関与しています。さらには、カタール現地企業および日本企業と共に、カタールで初の充填設備を有するヘリウム受渡会社を設立しました。
2023年8月、当社は子会社LJ Scarborough Pty Ltd (以下「LJS」)を通じて、豪州スカボロガス田開発プロジェクトに参画することとし、豪州最大手のエネルギー会社である Woodside Energy Group Ltd(以下「ウッドサイド社」)の子会社との間で、同ガス田権益の 10%を取得することを定めた権益売買契約を締結しました。更に、2024年3月、同契約の発効条件を全て充足し、権益取得手続きを完了しました。本権益取得にあたっては、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(以下「JOGMEC」)から出資及び債務保証の対象事業として採択を受けています。
本プロジェクトは、2021 年 11 月に最終投資決定済みであり、豪州北西部沖合約375kmに位置する海底ガス田から採取する天然ガスを海底パイプラインにて陸上の液化施設に輸送し、液化天然ガス(LNG)の生産を行うものです。当社の出資対象はガス田の開発および液化施設までのパイプラインでの輸送までであり、生産されたガスを液化会社との液化加工委託契約に基づきLNG化し、同LNGを販売していくことになります。LNG 生産量はプロジェクト全体で最大約 800 万トン/年を見込んでおり、当社は権益相当分の LNG(最大約 80 万トン/年)を引き取り自ら販売していきます。加えて、西豪州の法令に基づき LNG 生産量の 15%に相当する天然ガスを州内に供給します。
スカボロガス田の天然ガス性状はCO2含有率が0.1%未満と非常に低いため、本件は生産段階での温室効果ガス排出量が少なく、環境負荷の小さいLNG生産プロジェクトとなります。
今後当社は、本プロジェクトの 10%権益保有者として、オペレーターのウッドサイド社と連携のうえ、2026 年の LNG 生産開始に向けて本プロジェクトを推進していきます。また、当社は、本プロジェクトを通じ、オーストラリアの更なる発展に貢献していくとともに、日本を始めとするアジアを中心に、低炭素・脱炭素社会の実現及びエネルギーの安定供給に取り組んで参ります。
Video provided courtesy of Woodside Energy.